「魂の導き」

3月3日。桃の節句。

私は、出雲にいました。

着いたら、家族からの電話が何本も 入ってる。

私は、出雲から、トンボ帰りすることに なりました。 姑さんが突然亡くなりました。

夜10時、夫が仕事から帰って、姑と話をしたそうです。

お風呂に入るか、迷っていたので

「今日は、遅いから、止めといて」

まさか、その後、お風呂に入ったとは 思わなかった。

パジャマも着てたのに、、、 死因は、お風呂に入って、心不全。

人って、あっけないな。 そう感じる最後でした。

私は、神戸淡路大震災をきっかけに 2世帯同居 21年間の同居生活でした。

姑さんは、82歳 昭和10年の戦前に生まれました。

6人兄弟の3番目 実家の両親も、舅さんも みんな6人兄弟3番目。 真ん中は、目立たず、兄弟も、氣が合う兄弟と、氣の合わない兄弟、姉妹がいます。

好き嫌いがはっきりした人で 嫌いな人は、顔を見るのも嫌な人でした。

同居した始めの頃は、 コーヒーを入れると、呼んだらすぐこないと 氣がすまない。 10分経つと、 「コーヒーが冷めて、美味しくなくなった」 と、怒る人でした。

夫は、お母さんに頭が上がらないので、 知らん顔して、呼ばれたらすぐに 1階に降りて行くので 私だけが、呼んでもすぐにこない人。

何かにつけ、自分の思い通りにならないことは、氣に入らない。 だから、表も裏もありません。 建前もないから、本音で生きている人。 こうしなさい。あーしなさい。 「私があなたぐらいの頃は、こうしていた」 大きなお世話を焼いて、私は 自分の人生を生きている実感がなかった。 そんな姑さんの生い立ちを聴いたことがあるんです。

6人目の子どもを産んで、体調が悪かった。 だから、生れてすぐ、養子に出た。

その後、小学生の時、お母さんが亡くなり、親戚の家にお世話になった。

お父さんは、すぐに再婚したが 連れ子同士の結婚でママ母は 自分の子どもばかりを可愛がり 自分達、兄弟は、押入れで育った。

親の愛を知らず、 世間のことを知らないのは、当然のように 言い訳し 私が21歳で嫁にきた時は、わからないと 鬼の首を取ったように、怒られ 「きれいなお母さんだったのに、 私は、あんな鼻ぺちゃのお父さんに似た」 と、自分の容姿を罵り 当時、色が白かった私を、羨ましく 目の仇のように、辛く当たる人だった。

私は、嫌われていると思っていた というより、 同居し始めは、嫁のしたことが氣に入らないと、友達や、娘、姉に電話して 「あんな、妻としても、嫁としても 母としても、サイテーだから」 と2階に聞こえるように、大声で話す姑さん。

嫌われてない訳がない。

ところが、本人は、何も覚えてない。

「昨日、いいと言ったことは、今日は 良くない」と言うので 同居してからは、振り回される生活だった。

秘書室ladyから、メッセージがきて 「お母さんが、急に亡くなって何に気づいて、何を伝えたかったかを聞いて。 姑さん、まだいるんだから、 向き合うチャンスよ」

聞こうとすると、眠くて寝てしまう。 身体も重い。 身体が反射的に寝る。 起きてられない。 「眠くて、寝ちゃう」

それに対して、秘書室ladyから意外な 返事が返ってきた。

「愛されてない事を知るのが、嫌なんだと思う。聞いてみて。 私が、お嫁に来てよかった? 私は、お母さんに嫌われてると思ってたって」

一番、怖い。

死んで、聞くのか? 涙が溢れた。

お姑さんは、実家のお父さんの性格に よく似ている。 カッとなると、周りにわめき散らす 唯一、違っていたのは、手が出なかったことと、男か女かの違いぐらい似ていた。 小さい頃からの思い込みに、グサグサ 突き刺さる言葉を、投げてくる人だった。 こんなダイレクトに聞くのか。

「あんたが、嫁に来たのは、よかったわ。 孫もひ孫も見れて、盛り立てたから。 喜寿のお祝いしてもらったな。 にぎやかなのは、楽しいわ。 あんたも、頑張って生きよ。 私は、もっと頑張って生きようと 思ってたわ」

愛情表現もヘタだから、 どう話すかわからないんだよね。

お母さん、私のことも愛してくれてたんだね 亡くなる1週間前も、お昼ごはんを一緒に 食べようって、話してたね。

時間がなくて、できなかったね。

言い残したのは、家族の幸せ。

子ども、孫、ひ孫の幸せを上から願ってる。 毎日、仏さんに向かって、一人ずつ 名前を呼んで、祈っていたそう。

戒名に「誓」が入っていた。 名前の一文字「信」がある。 お父さんより、戒名も多い。 常識では、夫婦は、妻が夫より戒名が長いのは、あり得ないらしい。

今、気づいた。 そうだ。 建前を言わず、本音で生きた人だった。

私は、本音を語ることをしたいと 言いながら、本音で話す人を前に オロオロしていたんだ。

本音で話すことは、ステキだと口では 言っていたのに、本音を聞くのが怖かった。

本音で話すと、人間関係は、大変なことに なるって、人の顔色を見て 要らない思い込みをしていた私に ヒール役で、氣づきを与えてくれた人だったんだ。

すべて愛からだった。

愛を持って、愛を伝え、愛を誓った人 見事でした。

あなたの最後は、あっぱれでした。

ありがとう。お母さん。 ゆっくり、休んでね。